お子さんがゲーム・動画ばかりで困るという方へ

こんにちは!「くろすこあ」中辻です。

「うちの子はゲームばっかりで他のことに興味がない」「YouTubeを見始めると、全然勉強をしない」

知り合いの親御さんとの会話です。

また、こういった悩みは、教員時代にも保護者の方から多く寄せられた相談の1つです。

もしかしたら、この記事をご覧のあなたが子育てをされている親御さんであれば、そういった悩みがあるかもしれません。

ここでは、お子さんがゲームや動画ばっかりになってしまう原因と、その解決策についてお伝えします。

言い方を変えると、ゲームや動画に夢中になる原因からヒントを得て、学びに活かすことができるということです。

目次

まず、ゲームや動画には夢中になるのに、勉強に夢中になれない理由を説明します。

「いやいや、そんなの面白いか、面白くないかでしょ?」と思われた方、少しお待ちください!

ここでは、教育内容の観点、脳科学の観点、心理学の動機づけの観点から根拠をもとにして説明します。

学習環境や脳の機能、気持ちのコントロールにヒントを見出せるということです。

ぜひ、ご参考にしていただきたいと思います。では、早速見ていきましょう!

まずは、教育内容の観点から。

1つ目は、関連性です。

学校や塾、ご家庭で与える教育の内容が、お子さんの日常生活や興味と関連がうすい場合、お子さんは学習内容を無関係または無意味と感じることがあります。

そのため、報酬や興奮を提供するゲームや動画にひかれやすくなってしまいます。

考えてみれば、当然のことです。

例えば、いきなり「四字熟語を20個覚えてきてください。明日テストをします。」と言われたらどうでしょう?

私たち大人でも嫌ではないでしょうか?

言葉の成り立ちや漢字によほど興味関心があるお子さんでないと、なかなか学習に取りかかるのは難しいですね。

ちなみに、私は小学生の頃、四字熟語やことわざを覚えるのが大嫌いでした。

「君のその失敗はまるで猿も木から落ちるだね、とか友達に言ったら友達無くすから覚えない」とか意味のわからないい言い訳を親に言い、何とか逃れようとしたほどです。

つまり、身近なものや興味関心のあるものであるかどうかが、夢中になるためにまずは必要な手立てです。

続いて、2つ目も教育内容の観点から。

学校の宿題、塾での授業、お家で買ったドリル…。

子どもたちが受ける教育は、しばしば一方向的で受動的な学習を強いるものです。

これに対し、ゲームは参加者を引き込む性質があり、よりアクティブな参加を促しています。

動画も同じです。一時停止やスキップなど、子どもたちは面白ければ何度も見たり、つまらなければその部分を飛ばしたりすることができます。

その時のお子さんは「楽しいもの」を受け身ではなく自分から探しに行っているのではないでしょうか。

私は、小学生の頃、ドラゴンクエスト(通称ドラクエ)にハマりました。

「ドラクエ5」なんて、何十回も最初からやり直してプレイしたほどです。

当時は、このボスはこれぐらいで倒せる、このモンスターはこの場所で出るといったことから、この宝箱にはこのアイテムが入っているということまで覚えていたほどです。

そのエネルギーを勉強に活かすことができていれば、どれほど良かったことでしょう…。

つまり、子どもが受け身ではないことが、夢中になるために必要な2つ目の手立てです。

3つ目からは、脳科学の視点で見てみましょう。

3つ目は、報酬系の刺激があることです。

ゲームや動画は、特に子どもたちの脳にとって魅力的です。

これらはひんぱんに報酬(例えば、ポイント獲得、レベルアップ、フィードバックの瞬間的な提供)を与え、脳の報酬系を刺激します。

この報酬系は専門的には、「ドーパミン」の放出と言われ、快感を感じさせるため、繰り返し行動を促進します。

ドーパミンは脳内で「快感物質」として知られ、報酬や楽しみ、満足感を感じるときに活動する神経伝達物質です。

例えば、ギャンブル活はドーパミンの放出を促すことが知られています。

勝利した際に得られる報酬(金銭的な利益や達成感、画面の演出など)がドーパミンの放出を促します。

これはプレイヤーが興奮を感じる理由であり、何度も繰り返し行動する動機づけとなります。

同じく、ゲームや動画もこれを利用してプレーヤーや視聴者を惹きつけるようにできています。

ただし、依存症のリスクを高める要因にもなるため、注意が必要です。

つまり、報酬系の刺激があることが、夢中になるために必要な3つ目の手立てです。

4つ目は注意力のキャッチです。

これも脳科学の視点からです。

ゲームや動画は色彩が豊かで、速いテンポで情報が更新されるため、子どもたちの注意を引きやすいです。

これに対して、学校の授業は比較的モノトーンで一定のペースで進むため、注意を維持するのが難しいです。

これについては、学習を提供する側の話し方の上手さ、テンポなどの情報の与え方にもよります。

つまり、注意力をキャッチすることが、夢中になるために必要な4つ目の手立てです。

5つ目からは、心理学的な観点をふまえて説明します。

5つ目は、内的動機づけがあるかどうかです。

学校や塾、ご家庭での学習が外的な要因(テストの成績やごほうび)に重きを置いている場合、子どもは自分自身で学ぶ喜びや興味を見出しにくいです。

これが、より自発的で楽しい活動であるゲームや動画へと向かわせる原因になります。

例えば、「100点を取ったら100円をあげる」といったごほうびを設定したとします。

こういうごほうびを「外的動機づけ」と言います。

お子さんは、きっと100円欲しさにテストを頑張ります。

ですが、こういった外的動機づけは長続きがしません。

理由は大きく分けて2つで、

①ごほうびに対して慣れてしまう

②だんだん大きなごほうびが必要になってしまう

からです。

例えば、初めは100円欲しさに頑張っていたお子さんも、100円だけでは頑張れなくなってきます。

そして、金額が500円、1000円とエスカレートして行ってしまい、親御さんの負担にもなりますね。

また、何もごほうびが得られなくなってしまうと、逆にモチベーションが下がってしまいます。

つまり、内的動機づけを高めることが、夢中になるために必要な5つ目の手立てです。

6つ目も心理学的な観点から。

それは、自己効力感の低下です。

学びにおける自己効力感とは、個人が自分自身の学習過程をコントロールし、目標達成に向けて効果的に行動できると信じる能力のことです。

少し難しいので、ゲームを例に取り上げてみます。

例えば、先ほどのドラゴンクエストで説明します。

「ドラゴンクエスト」では、ミッションが明確に定義されており、達成するたびに具体的な報酬が与えられます。

プレイヤーの行動が結果に直接的に結びついていると感じさせ、自己効力感を強化します。

また、ゲームは初期の簡単なレベルから始まり、徐々に難易度が高くなる設計になっています。

プレイヤーは自分のスキルが向上していると実感しながら、より大きな挑戦にも自信を持って取り組むことができます。

さらには、プレイヤーは自分のキャラクターを選び、装備やスキルをカスタマイズすることができます。

キャラクターの成長とともに、プレイヤーは自分自身の選択がゲームの世界において有効であると感じ、自己効力感が高まります。

最後に、プレイヤーはゲーム内での小さな成功(例えば、モンスターを倒す、重要なアイテムを見つけるなど)を重ねることで、自分自身の能力に自信を持つようになります。

このように、ざっと思いつくだけでもたくさんの自己効力感を高める手立てがゲームには満載です。

つまり、自己効力感を高めることが、夢中になるために必要な6つ目の手立てです。

さて、ここまで「ゲームに夢中になるのに、勉強に夢中になれない理由6選」について説明してきました。

大切なのは、「ゲームや動画ばっかりしてないで!」と注意するのではなく、「なんで、ゲームや動画は子どもたちをこれだけ引きつけるのか?」を考えることだと思います。

そして、その理由を考えることで、勉強に夢中にさせるための戦略を立てることができるでしょう。

ここでは、勉強にも夢中にさせる戦略を4つ紹介します。

子どもの日常生活や将来のキャリアと直接的に関連する内容を取り入れる。

勉強をより参加型で動的なものにすることで、子どもの興味と関心を引き出す。

子どもが自らの学びに責任を持てるようにするための支援を強化する。

すぐにもらえるごほうびではなく、長期的な成果や成長に焦点を当てた内的な動機づけを強化するごほうびを与える。

「くろすこあ」では、お子さんが勉強に夢中になるための仕組みを導入しています。

子ども向け教育サービス「未来寺子屋こあ」では、「勉強が嫌い」「学ぶことに対するモチベーションが低い」といったお子さんも学習へのモチベーションを高め、楽しく学ぶことができます。

保護者向け家庭教育相談サービス「X-Smile(クロス-スマイル)」では、ご家庭での勉強への動機づけはどのように声かけをすれば良いのかといったご相談を受けつけています。

「未来寺子屋こあ」、「X-Smile(クロス-スマイル)」にご興味があれば、どなたもぜひお問い合わせください!!

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